ご挨拶
乳腺濃度は、マンモグラフィにおける乳がんの検出感度と乳がんの発症リスクにかかわる因子であり、乳腺濃度が高い女性に対するマンモグラフィほど乳がんの検出感度が低下すると一般的に言われています。
マンモグラフィに対して多くのエビデンスを作りあげてきた北米では、マンモグラフィ検診に対する正しい理解として、乳腺濃度を受診者にお伝えする法制度が進んでいます。一方、北米よりも高濃度の乳房構成を持つ女性が多いといわれている日本において、本情報について関心はあるものの、十分な情報発信と情報共有がおこなわれていないのが現状です。
新しいBI-RADSでも乳腺密度の規定値が削除されたことからも、乳腺濃度の客観的評価が求められており、その数値が臨床上もたらす意味についてのエビデンスを作りあげていくことが、このワーキンググループの課題であります。
このワーキンググループでは、定量的な乳腺濃度測定が可能な装置、分析装置を使用可能なサイトにおいて、マルチセンターステディ形式でのデータ収集、分析を行うことにより、乳腺濃度測定の有効性について検討し、必要な情報について情報発信していきます。